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コロナウィルスと留学と【留学日記#8】

海外留学

コロナウィルスにまつわる最近の状況報告です。
久しぶりの日本語なので、もはや単語忘れて英語なところもありますがご容赦ください(笑)
これを書く目的は3つあります、
1、ノルウェーの大学がロナウィルスのアウトブレイクを防ぐための一連の動きを記録する目的
2、国が大きく動く時に、異邦人という立場がどうなるのかを記録する目的
3、アホな私の記録

超個人的な日記の体裁ですがthe personal is politicalということで。

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2020年コロナインシデントに関する超個人的なノート

(ここは超絶パーソナルな事しか書いていないので、ノルウェーの大学がとったコロナ対策について読みたい人は飛ばしてください。)

まず2020年の1月中頃段階では「どうやらウーハンでのコロナウィルスが深刻そうだ」という認識でした。(私は普段BBCで世界情勢をキャッチしています)

1月中頃、私の仲良しの中国人の友達が春節に合わせて実家に帰りました。
その子の故郷はウーハンよりだいぶ南西に位置しているところだったので、本人も私もあまり気にしていませんでしたが、2月はじめごろに中国から彼女から「家から出られなくなったから1セメスター休学する」という連絡がきます。
この事件(?)が私の身近で起こった最初のコロナインパクトでした。

2月終わりごろ、仲良しのバングラディッシュ人の友達と一緒にオランダやベルギーに行く旅行計画をたてます。
イースター休暇がベストタイミングだろうというこで、コロナのことは多少心配ではありましたが、オランダとベルギーの感染者はゼロだったか一桁台だったので、飛行機や宿なと通常の手配をしました。

2月26日、ノルウェーで初めてのコロナウィルス陽性反応が確認されました。しかし、この時点ではイタリアが既にやばいことになっていたので、少なくとも私の周りは北イタリアの話題がメインでした。

3月11日に大学閉鎖の連絡が入り、政府から極力自宅待機、Self Quarantineせよとのお達しがあり、コロナウィルスの一連のインシデントがリアルに私に降りかかってきました。

3月中旬にイースター旅行を中止し、キャンセルの手続きをとることにしました(これは現在進行形)

ノルウェーの大学 コロナウイルス対策

ノルウェーの大学閉鎖までの経緯

2月26日にノルウェーで最初のコロナウィルス感染者が確認されてからすぐ、大学の図書館など主要箇所にサニタイザー?消毒するやつ?が設置されました。
その後の授業で教授に「これから授業がどうなるかわからないけど都度連絡いれるけんメールチェックしてな」と釘を刺されました。

3月11日、突然大学からメールが届きました。
「明日12日から授業はオンラインに移行し、大学は閉鎖、可能な限りウィルスインフェクション防止を実行するぞ」というものでした。すいません日本語で何て言うのかわからんです。
この一連の実行は、ノルウェーのヘルスオーソリティの提言に沿ったものであるとのことでした。
この連絡は大学(運営するところ、なんかでかい部署?)から届きます。

そして追ってすぐに、私の所属するデパートメントから「ということで大学閉まります。うちのデパートメントが管理してるスタジオ系も例外なく閉まるんでよろしくね。授業に関しては個別に連絡します。」とメールがきます。

翌日、大学から「12日18:00から、とりあえずイースター休暇まで、大学が閉まります。」というメールが来ます。

そしてそのあとすぐに、クラスメイトからグループメッセージで連絡が来ます。
「噂だけど、うちのデパートメントは14時までに私物を回収しに出入りできるらしい。」

つづいて、私の所属するデパートメントから追加連絡のメールが来ます。
「ということで今日の18時で閉まりますよ。で、君たちは本当に私物を置きすぎなので、もし必要なものがあれば今日の16時までに各自回収してね。Stay safe!」みたいなメールでした。
(このあたりはデパートメントの性質にもよるのでしょうが、いかんせん私のデパートメントは普通ではない人が集まりがちな学問なので、オフィスやスタジオが半分実家状態なのです)
もちろん私は大学に急いで駆け込んで私物を回収しました。

大学が閉まるということは、図書館も例外なく閉鎖されます。
それに伴って、現在借りている本に関しては「一律で2週間の返却期限延長」が発表されました。
私はとりあえず論文に必要な15冊を借りて、自宅に持ち帰りました。

そして大学閉鎖開始の12日から14日の間に、教授から続々と今後の授業についての方針連絡がメールで来ました。

授業がオンラインになるってどういうこと

まず前提として、ノルウェーの大学はcanvasというプラットフォームを導入しており、授業によってはこのプラットフォームを常用しています。
例えば、授業の参考文献となる記事をアップロードしたり、課題(エッセイ)を提出したり、授業に関連するトピックの動画をアップロードしたりしています。
ですので、基本的にはこのキャンバスが、そのままオンライン授業のベースとなります。

基本的にネット環境はととのっている前提ですが、テクニカルな問題がある場合は、大学のITセンターに連絡せよ、とのことでした。

レクチャーの授業

ここでいうレクチャーとは、先生が話をして、生徒が自由にノートをとるスタイルです。
とあるレクチャーの授業は、教授の音声レコード+スライドデータがcanvasにアップされ、生徒が好きな時間に勉強できるようになっていました。

セミナーの授業

ここでいうセミナーとは、ディスカッション形式の授業で、あるトピックについて調べたことを発表したり、ディスカッションするスタイルです。
とあるセミナーの授業は、Zoomを使って行いました。
Zoomの利点は、同時に話ができることでしょうかね。
Zoomの欠点は、生徒によってマイクの性能が悪い?のか、死ぬほど音声が聞き取りにくいことがあることです。
その人は、PCに顔を近づけてしゃべって、マイクに無理やり音声を拾わせていました。ただSkypeと同じなので、その人がPCに顔を近づけるとカメラにも顔を近づけることになるのでちょっと面白いことになりますけどね。

プレゼンテーションの場合 その1

一人ずつプレゼンテーションをするはずだった授業がありましたが、それもデジタライズされました。
プレゼンテーションを録画、Youtubeにアップし、それをキャンバスにもリンクさせよ、との指示がきたので、その通りにしました。
先にYoutubeにアップされていたクラスメイトの部屋があまりにもおしゃれすぎたために、私はプレゼンの中身の準備そっちのけで部屋をおしゃれっぽくすることに時間を費やしました。
(ルームメイトに「1時間だけ部屋がおしゃれっぽく見えるアイテム貸して」と4人からおしゃれグッズをかきあつめるという荒業に出ました。笑)

プレゼンテーションの場合 その2

もうひとつのプレゼンテーションの予定は、エッセイに変更されてしまいました。
これは私としてはかなりの痛手で、プレゼンだと細かいところは話術でごまかせるのに、エッセイでそれができないのがおおざっぱな性格の私には大打撃でした(最低)

大学閉鎖中の大学からのフォロー

大学閉鎖中は、基本的にメールで連絡がきます。

メールはDepartmentから送られてくるもの、Facultyから送られてくるもの、Univertiyから送られくるもの、と大きく分けて3種類あります。
(部署の大きさとしては、Departmentがfacultyに所属されていて、そのFacultyの寄せ集めがUniversityです、念のため解説。)

Departmentは一番小さい組織になります。

ここからのメールは超テクニカルなことや事務連絡、「うちのデパートメントでは感染者いません」というお知らせが届きました。

Facultyはもう少し大きな組織になるので、より全体的な連絡となります。
例えば、コロナ情報はここのサイトをチェックしろ、とか、ITセンターの連絡先これだ、とかです。
あとはWe miss you.とか感情も吐露されます。(笑)

Universityはさらに大きな全体連絡です。
大学のコロナサイトはここだ、とか、大学の図書館に関して、とかテストの延期について、とかですね。

あとは大学のサービス、キャリアセンターの面談(CVチェックや面接練習に付き合ってくれる部門)やライティングセンター(論文のブレインストーミング手伝ってくれたり、ライティングのアイディアを助けてくれる部門)などのサービスは全てオンライン面談に切り替わっていました。

コロナウィルスにまつわる市井の人々の生活の変化

ノルウェーでは、国境閉鎖や空港閉鎖的な措置をとり、イベントやギャザリングたくさんの人たちイベントの中止がある一方で、混乱を避けるためにもスーパーなどの店は通常通りの営業をしていました。(営業時間の短縮などはあります。また夜のアルコール提供禁止など一部措置はとられています)
大学やオフィス閉鎖の直後は、スーパーの棚が空になりましたが、その後すぐに商品は補充され通常通りに戻りました。

さて、留学生がどうなったかというと、まず交換留学生が母国に戻り始めました。
これは大学がデジタライズになったことでもはやノルウェーにいる意味がなくなったことと、国によっては帰国指示が出ているためです。
これによってインターナショナルな生徒の大半をしめる交換留学生がこの国を去っていきました。

私のような正規の留学生は引き続きこの国にとどまりますが、ここで新たな問題に直面します。
多くの留学生はアルバイトをして生計をたてていますが、その主なアルバイト先である飲食店が一時的に閉店したり、営業時間を短縮するなどして、留学生が一時的に解雇されたりシフトに入れない状況が出てきます。
こういったことは留学生に限らず起こるので、ノルウェー政府はその辺の保障を決めました。
が、ここで問題になるのが特に「EU圏外からの留学生はその保障対象になるのか?」ということです。
留学生の間でPetitionも立ち上げられ募られました。これは務め先に拠るところも多く、私の知人のひとりはバイト先のレストラン側から「閉店期間中の給料を保障する政府の制度にアプライするか?」と聞かれたそうです。
その子の場合、レストランがアプライも含め全て行ってくれるらしく、2か月後かもしれないが少なくとも金が手に入るとのことでした。(私のバイト先は幸いなことに仕事し続けられていますので、これまで通り給料を貰えています)

また、国によっては1-2か月の家賃免除代を国が請け負う、としているところもあるようで、これも留学生の間から数か月の家賃のディスカウントもしくは免除を要求するPetitionが起こっています。(私も署名しました)

日々情勢が動く中で、国は自国民の保証をどうするかを考えて政策を決めます、当たり前ですが。
ですので私のような異邦人は、いわば例外なので、蔑ろにされがちです。
そんな時に「異邦人だからしょうがない」と甘んじて状況を受け入れるのではなく「異邦人のこと忘れてますよ、私たち困ってますよ、保障してよ」と声を上げつづけることが、選択肢として存在することを(私は)「発見」しました。
異邦人だってなんだって権利は主張し続けないといけないんです。基本的な人権はどこにいても有しているはずなので。
そしてそういうpetitionをたてるのがうまいのが、(私の周りだと)中東出身のたくましい子や東欧出身のたくましい子だなと思いました。なんて国籍でくくるのは良くないのですが。

また、困ったときはお互い様ということで色々と助け合っています。
食料を分け合ったり、Petitionに協力してあげたり、奨学金の手助けをしあったり、自分のできる分野でみんなで協力できています。

今のところアジア人差別にあったり目撃したりしていません。
これはやはり国の教育水準の高さの現れではないでしょうか。
コロナウィルスが欧州に上陸した当初は、他国(イタリアやイギリス)でアジア人差別や暴力のニュースが出ていたため、私も多少身構えました。(万が一にも自分が差別にあったら、この機会に徹底的に自分の論文のケーススタディに利用してやろうとインタビューに持ち込むつもりでいました。何事もがめつく!)

あとは、Self Quarantine中の孤独感についてです。
大学からもメールで「この状況で孤立してしまう人がいることが一番怖い、SkypeでもZoomでもなんでもいいからクラスメートらと繋がりあいましょう、連絡を取り合いましょう」というフォローが入るほどです。
ですが幸いなことに私は7人で生活しているため、まったく孤独にさいなまれることはありません。
キッチンが共同スペースなので誰かと話したくなったらキッチンに行って一時間でも二時間でもくっちゃべることでだいぶストレスの軽減につながったと思います。
ありがとう、ルームメイツ。Netflixの話題で毎日盛り上がって楽しく過ごしています。

また動きがあれば追記します。が、大学が閉まっているとはいえ結構普通に授業というか勉強が忙しいので、外に遊びに行けないだけで大して普段と変わらない、というのが私の正直なところです。

これを読んでいるあなたは世界のどこにいるのか存じ上げませんが、どうぞコロナウィルスを過小評価せず、手洗いをきちんとして極力行動範囲を狭める努力をしてください。
きっとこれを読める環境下にいるということは、発展途上国にはいないはずです。
あなたが考えなければいけないのは(自国のこともそうですが)、一度感染が始まったら成す術がなくなる国にウィルスを移さない=自国だけで最小限にとどめる、ことです。

Stay safe and be kind.

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