海外の博士課程(給料付き!)応募をして、書類選考を通過し無事に面接によばれたみなさん、おめでとうございます。
今回は私が行った面接準備と、実際に受けた面接(2校)での質問すべてを晒します。(面接は全てZoomで行いました)
人文学系の博士課程で、すべて給料の出るポジションです。(なので定員1-2名)
博士課程の応募に関してはこちらの記事をどうぞ!
博士課程応募で必須の研究計画の書き方についてはこちらの記事をどうぞ!
面接前に準備したこと
この記事でも書いたのですが、下記のことを言えるように事前に準備しました。
- Introduce yourself
- your personal strength and weakness
- why a phd
- future carrier (after phd)
- why this Univerisity, program, or project
- what makes you the right candidate
- summarise your project, master thesis, and bachelor thesis
- rationale of your proposed study
- impact of research project
- the challenges of your study (any expected difficulties)
- how do you think you need to move to the city where the university situated
- how to catch deadline
- how to cope with stress
- what can you contribute to university, faculty, and program
- prepare for the question of ‘do you have any question?’ in the end of the interview
準備ってのは、各質問のこたえを書き出して、ひととおり読んで整合性?Coherentかどうかをチェックしたのち、実際に声に出して鏡に向かって自分で話をするということです。
鏡に向かうのは、自分がどんな顔して話したら説得力増すかとかをチェックするためで、まぁそこまでやらなくてもいいです。
ただ、実際に声に出して複数回リハーサルすることはしましょう。
YouTubeでインタビューの動画を見る
雰囲気というかこういう言いまわしするんだなというのも含めて、かたっぱしから動画を見ました。
理系文系問わずみました、大して差はないので。
ただ、アメリカ系とヨーロッパ系だと選考そのものが異なったりするので、
私はヨーロッパ系大学の動画を中心にあさっていました。
個人的におすすめの番組 3選
Samuel Dada
この人のケンブリッジ日記は普通に面白い。全動画おすすめ。
英語(米語ではない)の雰囲気を掴みたかったので、チョイス。あとこの人自身、しゃべりがうまい。
動画後半の「自分でもなぜ応募したのか覚えてない専門外のプログラムの書類選考が通って面接に呼ばれて、面接官にも専門外であることがばれていたのになぜかインペリアルに受かった話」が面白くて、私は面接直前までこの動画を繰り返しみていた。精神的支柱。
Dr Amina Yonis
まず、英語(米語ではない)が心地よいのと、Tipsがまとまってキャプションとして表示されるのがまじで役立った。
モデルアンサーは正直ほぼ丸パクリしてしゃべった箇所もある。まじでおすすめ。
Ivvana’s norsk life
ノルウェーの大学のPhDの雰囲気が知りたくて観ていた。(自分の受ける大学と同じか、少なくとも同じ国の動画はチェックしときたいですね)
ノルウェーはどうも面接時間が他より長いっぽい(ざらに1時間とかある)(普通30分前後、オランダの某大学は15分って言われた)
Glassdoorで実際の面接内容を確認
実際に過去PhDの面接を受けた人が何を聞かれてどんな面接の雰囲気だったかの口コミがみれるサイトがGlassdoorです。
ただし、無料でログイン登録+自分が勤めたことのある会社のことを書き込む必要があります。
日本の会社でも登録OKですが、書き込みは英語にする必要あり。(まあ博士で海外行こうとしてる人なら大したことない量です)(どうせ日本人みてないと思って私はかつて務めてた会社の悪口書きまくった)
このひと手間が必要ですが、だいたい10分くらいで終わって、結構たくさんの人が自分の受けた面接について書き込んで良い情報が手に入るので、手間をかける価値があります。
私は実際に受けた面接
で、下記は実際の面接の記録です。
スウェーデンにある大学(創設1600年代のやつ)
合計30分程度。面接官4名。教授2名、レクチャー1名、リサーチャー1名。
- 自己紹介
自分の学士論文と修士論文を一文ずつくらいで説明、だからこの分野に興味があってだからこのPhDポジション応募したと説明。(1分程度) - PhDの研究についてプレゼンしてくれ
3分くらいで軽く説明。一応スライドを用意したものの、使用せず(時間かけられなかった、軽く話してくれみたいな質問のされ方されたので。) - 特定のセオリーについての説明を求められる
これは主に、事前に提出していたProject description(研究計画)で、文字数制限のせいで説明はしょった部分へのツッコミでした。
「このセオリーは元々Sociologyからとってきてて、それをこうしてうんたらかんたら」と言って説明。
言葉のオリジンと重要な学者一人についても軽く触れて、知ってますよアピール。 - この研究がどう社会と関連しているのか?
どうやって社会に還元できるかを説得。
人文学系って社会とつなげるの難しいですが、一方でこれ答えられないと絶対受からないので、周到に用意しとくべし。
私は、私の研究を通してどう音楽が人を惹きつけて新しい文化が作られていくかを解明することは、それってまわりまわって音楽産業の利益になるってことは経済活性化しますよね、みたいな方向にしました。ゆうてネオリベラルソサエティなわけですからこんにち、金は重要だよね、みたいな。 - ジェンダーの視点ではどう関連づけるの?
これは修士論文がジェンダーの観点も入れてたのに博士研究計画で外したから突っ込まれたんだと思われる。(ただ文字数足りなくて、カットしただけだったんだけど)
なので、「しっかり考えてますよ」ということを説明。
でもバトラーとか具体的なセオリーまでは持ち出さなかった。「ジェンダーの視点も入れて考える予定、なぜならこういう問題がすでにあるから」みたいなことを言いました。 - どうしてこの研究テーマにしたの?なんかきっかけはあったの?
私は修士論文の延長みたいな研究計画を提出したので、なぜそもそも修士論文でこのテーマを選んだかから説明。
ここでパーソナルなことも絡めると説得力が増しますよ。(私はgenderとethnicityの観点で説明。若い女性というカテゴリーのスティグマへの挑戦と、アジア人としてみたいな方向性を絡めた、ApaduraiとかBhaba引用して) - 大学のある場所に引っ越すことについてどう思うか。
ここではスウェーデンの文化を既に知っていてるアピール、「Fika(スウェーデン式のコーヒーブレイク)をやってみたいです」と答えることで親近感を増大させました。
人文学系の強み、相手のカルチャーのどこをつつけば好感度が上がるかだいたい知ってる術~。 - (面接の最後に)「何か質問はある?」という質問に対して
まじで選考スケジュールのことなんも教えてくれなかったのでここで質問しました。
ノルウェーにある大学(一番南側にある大学)
合計50分。面接官5名。教授4名、アドミン1名。ただし、教授1名はふぁきゅるてぃの長だから
参加しただけで、私の専門とあまり関係なく、まったく質問してこなかったうえに途中退席(笑)
- 自己紹介3分
自分の学士論文と修士論文をひとことで説明、だからこの分野に興味があってだからこのPhDポジション応募したと説明。 - 研究の特定の分野についての質問。
専門的な質問。まあ普通に答えます。なんでこの観点なの?みたいなやつ。 - あなたの強みはなんですか。
Independentに研究するよ、修士論文書くときにこうタイムマネージメントしたよ、みたいな。 - あなたの性格はどんなよ?
正直に50%Introvertで50%Extrovertだと説明。(本当は日によって100%Introvertなときと100%Extrovertなときの差が激しいのですが、それいうと精神異常だと思われるので、実際そうなんだけど、適度に脚色) - 研究のプレゼンして
これはプレゼン用にスライドを作っていたので、zoomで画面共有して5分くらいで説明。ギャグも交えることで、好感度爆上げをしました。
既に研究計画を応募の時点で送ってるはずなので、概要は提出した書類を通じてみんな知ってるはずなので、ここでは研究のパーソナルな理由(なぜこの研究をしようと思ったのかというパーソナルなモチベーション、私の場合は、自分の経験も含めての「バカにされがちなティーンエイジャーたち」へのエール、って言った)と、軽めのギャグを用いて印象づける作戦にでました。 - どうやって他者とコミュニケートする?
多分これは私が面接の前半でものすごくindependentな学者であることを強調しすぎたから、面接官のひとりがこいつ1匹狼すぎないか?と心配して投げかけた質問だと思う。
なんか他者と協力したエピソードを披露した気がする。学会で他人と勉強できて刺激になって新たな視点を得て、それは今回の研究計画にも取り入れてあるみたいな話をした。 - 大学のある場所に引っ越すことについてどう思うか。
ここも笑いを交えて答えるべき質問。
ここではノルウェーの文化を既に知っていて、koseligな雰囲気が好きよみたいな方向で親近感を増大させました。
あとリコリッシュ(北欧のクソみたいなキャンディー)だけは食べられないけれど、それはどうか許してほしいみたいな方向で、典型的な異国人インノルウェーを演じました。
人文学徒の得意分野、その文化のdiscourseから逆算してネタをつくっていきましょう。 - (面接の最後に)「何か質問はある?」という質問に対して
他の分野の博士課程同士の交流がどれくらいあるのかと、ポスドクの可能性について聞きました。(まだ博士課程受かってないのに笑)
服装について
オンライン(Zoom)だったので、ですので服装は、上はライトブルーでさわやか明るい色のセーター(顔が明るく見えるように)、下はパジャマでした。
ジャケットは暗い色のものしか持っていなかったので、印象が暗くなると思い着ませんでした。
日本と違ってクソみたいなマナー警察がいるわけじゃないので、よっぽどな恰好でない限り自由で良いと思います。
むしろ画面を見たときの色合いを中心に服決めたほうがいいです、ジャケットうんぬんより。
面接のはじめと終わりの言葉について
このあたりは定型文なので、選考がなんであれ言いましょう、好感度上げるために。
- オンラインがつながって初めに言った言葉
Hello, nice to meet you.
First of all, thank you so so much for inviting me to this interview.
I really appreciate it. - 面接が終わってオフラインにする直前に言った言葉
Thank you for taking your time, it was a pleasure meeting you today.
Have a nice day! (the end of the session)
まあこんな感じで、頑張ってください!
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