ルームメイトの一人がイスラム教徒で、ラマダンの時期を迎えるので、試しに私もラマダンを1日体験してみることにしました。というわけで今回はラマダン体験記です。(がっつりacademicなanthlopology的にparticipating observationしてるわけじゃなくて、何にでも興味津々の5歳児のノリでとりあえずやってみた、みたいな感じです)
ラマダンとは
これ以降のイスラム教の知識は、すべて私のルームメイト,WHO IS バングラディッシュ出身で医師免許を取得できる程度の経済力を持つ家庭で生まれ育つ、Rちゃんが何も知らなすぎる私に分かりやすく解説してくれたことです。国によっても宗派によっても生まれ育った環境によっても考え方は変わりますが、まあそういう環境にいる人の話なんだと思ってください。
ラマダンとは、イスラム教において断食する期間のことです。日の出から日没まで断食をします。なぜそんなことをするかというと、RichもPoorも同じHungerの気持ちを味わうため、だそうです。めっちゃEqualityを実行しようとしてたんですね、すごいな、さすが商業の街で生まれた宗教なだけある(超個人的見解)。
およそ1か月続き、年に1回あるそうです。
で、ノルウェーの2020年ラマダンカレンダーはこんな感じ↓(モスク行くと貰える、あとはイスラムコミュニティー行けばだいだい張ってある)

で、これがお祈りの時間とか詳細なスケジューリングされてるほうのカレンダー↓

例えば上から1行目、4月24日のところをご覧ください(「01 24.04 Fre」 って書いてある行です。これは「1日目 24日 4月 金曜」って意味です)
04:18 1回目のお祈りをします。西の方角に向かって、お祈りするそうです。また、この時が断食のスタートになりますので、この時間までに食べ物を食べるそうです。ここから断食するよってことで。
05:31 日の出です。
13:25 2回目のお祈りをします。
17:06 3回目のお祈りをします。
21:00 ここで断食終わり!4回目のお祈りをして、飲食可に!
22:15 5回目のお祈りをします。
ラマダン中、日が出ている間は飲食禁止です。また、嘘をついたり、悪いことをしたりすることも禁止です。で、この禁止事項の中にキスやセックスも含まれるそうです。ただ、自分がやってはいけないというだけなので、例えばNetflixで嘘つきの映画や人殺しのドラマ、ポルノをみたりするのはOKなんだとか。
また、ラマダン期間中は基本的には通常通りに生活しなければいけないそうです。ラマダンの目的は空腹を味わうことなので、空腹を紛らわすためにずっと寝てるとかそういうのしてはいけないらしいです。
1日の断食が終わると、同じビルに暮らすイスラム教の子たちが集まってご飯食べたりしているのですが、それを見て「メッチャ楽しそう!私もまーぜーて!」って思ったところから私のラマダン体験はスタートしました(幼稚園児)
1日ラマダン体験をしてみる
私はatheistなのでお祈りを捧げませんが、ルームメイトのRちゃんのレクチャーをうけつつ、私なりに代わりにできそうなことを考え、こんなルールを設けてみました。
1日につき5回のお祈り
1回あたりおよそ10~15分程度だそうです。
→なおこんぶ用特別ルール:11分間ヨガをする。
これをやりました
日が出ている間の断食
断食中は、食べ物はもちろん、水も飲んではいけません。
→なおこんぶ用特別ルール:水は飲んでOK。(飲まなかったけどね)
ラマダン中の禁止事項
キスやセックス、嘘をつく、悪いこと禁止。
→なおこんぶ用特別ルール:ポルノ見るの禁止。
実際にラマダンをやってみた
04:11 この時間までに1度起きて、何かを口にして、1回目のお祈りをし…ようと思ったのですが、寝過ごしました(最低)
05:22 日の出です。健やかに寝ていました。
09:00 起床。既にラマダンが始まっているので私は何も食べられません。日課である、メールチェックとニュースチェックをしたあと、期末エッセイを書きました。
13:24 この日2回目のお祈りの時間。私にとってはこの日最初のお祈りの時間、11分間ヨガをしました。ヨガが終わったら、ラマダンの状況報告をしにルームメイトが集うキッチンへ行き、くっちゃべりました。空腹もなく超余裕ぶっこいていました。
14:00 引き続き期末エッセイを書いたりしながら普通に過ごしました。
17:10 本日3回目のお祈りの時間、私にとっては2回目のお祈りの時間。ヨガをします。Around noonの余裕はどこへやら、おなかが空いて死にそうなので、ギターを弾いて気を紛らわしました。もはや断食明けの夜9時まで昼寝したかったですがそれは我慢。NetflixでViking Season2を見ました。
21:07 4回目のお祈りの時間、私にとっては3回目のお祈りの時間。そして!本日の断食終わり!これほどうれしいことはありません!!ヨガをさっさと済ませて、Rちゃん含むムスリムの集いに混ぜてもらい、Brekfastを食べました。パーティーみたいで楽しかったので(通常はただ食事するだけなのでそんなにパーティーではないらしいのですが、いかんせん私が陽気なので…恥)詳細は下記に書きます。
まず1度みんなで集まったあとに断食明けに食べるダーツ(って彼女らは言ってた)というドライフルーツみたいなものを2粒食べます。

そのあとリアルムスリムたちはお祈りをしに別部屋へ移動しました。
私はひとり取り残され(ヨガは既にDone)ボケーっと座って待つこと10分。
みんなが帰ってきたのでBreakfastを食べます。
ラーメン、サモサ、トマトスープ、寿司、ヨーグルトをそれぞれが持ち寄り、皆でつつき合いました。(ちなみにこの集まりの国籍は、バングラディシュ、パキスタン、モロッコ、日本です)
ガンガン食べて飲んで(ジュースとか。アルコールはラマダン中は禁止)食っちゃべっているうちに5回目のお祈り時間である22:18が来ます。
が、みんな忘れてしゃべり続けます。
「あとでやれば大丈夫。そのへんフレキシブルな宗教だから笑」とのことで、23時ごろにパーティーは終了しました。
ちなみに今回集まったメンバーの女性陣は普段ヒジャブを身に着けていません。
自分の意志でこのチョイスをしていて、お祈りの時だけスカーフを身に着けるそうです。
23:00過ぎ 5回目のお祈り、私にとっては4回目のお祈りa.k.a.ヨガの時間を迎えて本日のラマダン終了。なんだか体が軽やかでした。(まあ1日に何度もヨガやったらそりゃそうよね)
ラマダンをやってみた感想
というか既お祈り寝過ごしてる時点で、ダメダメですが、夕方以降に空腹で日常生活を送ろうとするのって結構きつかったです。
私のイスラム教に関する知識は、キリスト教からイスラム教に改宗したCat Stevensの曲を歌える、という程度のゼロ知識なので、Rちゃんから聞くことと自分でやってみることの全てが新鮮でした。空腹は慣れるらしいので、1か月のラマダン中で一番つらいのは最初の1週間なんだとか。ラマダン明けのお祝いがとっても待ち遠しくなります。なんか大人になってこれほど何かに待ち焦がれることってあんまりな…くないわ、めっちゃいっぱいあるわ、ストロークスのライブとか。笑
あと今回協力してくれたRちゃんが、私のラマダン挑戦を家族に伝えたところ、お母さんがえらく関心して私のことを気に入ってくれたのことでした。バングラディシュ行くときはタダで泊めてもらおうっと。
そして今回ラマダンに私を混ぜてくれた方々みんなから「よくラマダン頑張ったね!」「初めてのラマダンおめでとう!」と褒めてもらえて5歳児の私は大変満足です。
ちょっと真面目なことも書きますかね。イスラムの教えの根底にあるのは「Equality(平等)」だと、今回私を迎えてくれたみんなは言っていました。
だから、インドで最近イスラム教徒が増えている(らしい)のは、かつてのカースト制度(超絶身分制度)に嫌になった人が、平等を唱えるイスラム教に移行しているという背景があるらしいです。
もちろんイスラム教を信仰している国で平等精神が培われているかというとそんなことはありません。
どの宗教もおそらくそうだと思いますが、その教えの解釈の仕方によっていかようにもできてしまうので、過激思想に走る人もいます。
だから盲目的に信じるのではなく、Critical thinkingの目で判断しなければならないんですよね。
で、今回参加したコミュニティーは、まあ院生の集まりってのもありますが、イスラムの本来の教えである「平等」にのっとってatheistの私も迎え入れてくれて、異文化交流になってとても貴重な経験となりました。
そうだ、ラマダン中は基本的にイスラム教の人同士で一緒にご飯を食べるそうです。(例えば家族と、とか近所の人と、とか)
留学などで周りに一人もムスリムがいない、みたいな特殊な状況でない限り「みんなでラマダンを分かち合う」ようにご飯を食べると聞いて、ここにも平等精神のかけらがあるのか、と思いました。
そういやイスラムコミュニティの結びつき強いよな、と思っていたのですが、どうもこのあたりにヒントがありそうです。(東アジアのコミュニティにも属してますが、それは宗教というより食文化が近いことによる結びつきです。宗教はバラバラです。)
と、まあそんなこんなで未知の世界に触れることはとっても面白いですよね。(もちろんリスペクトは忘れずに!)
またなんか面白いことあったら追記しまーす。
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