PhD(博士課程)を海外(ここではヨーロッパのこと)でとるためにポジションゲットするまでの応募方法です。
私は、人文学系で給料の出るポジションだけを探して応募しました。
理系の給料が出る博士課程はあるが文系では稀だと巷では言われているようですが、私の経験からいうとめっちゃあったよ!みんな探し方悪いんじゃない?(煽り)
冗談はさておき、給料ありポジションの探し方、応募方法、面接、合格までをざっくりと紹介します。今後もっと詳細にテーマごとに記事書いてアップしていきます、たぶん。
応募書類で必須の研究計画の書き方についてはこちら
面接についてはこちら
金銭的な事情で博士課程を諦めている人に向けての記事です。
学振(?)でしみったれた金額しかもらえない日本よりもがっつり給料もらえる海外来なよ(煽り)
ちなみに私の応募戦歴は、5校応募して、1校内定(で決定)、2校書類落ち、1校書類通過して面接受けたのち辞退、1校書類通過したが面接辞退、でした。
博士課程の応募時期
基本的に1年中どこかしらで募集がありますので、情報を1年中探しまくります。
ただ、私が博士応募から決まるまでのおよそ半年を過ごしてみた感覚的には、
9月ごろに始まるプログラム → 1月末~6月にかけて応募&選考
2月ごろに始まるプログラム(たまにある)→ 6~10月にかけて応募&選考
って感じです。つまり1年中なんらかの募集があるということですね。
私は、2月~3月が応募時期のピーク、4月~5月が面接のピークって感じでした。
文系の博士課程が無料の国と給料が出る国
まじで給料が出る場合と、奨学金が貰えるので結果授業料が無料の場合という2パターンがあります。
基本的にはまじで給料が出る大学を探しましょう、生活費も賄わねばならんので。
まじで給料が出る国:ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、オランダ、ドイツ(他にもあるのかも、すくなくとも私が見つけた国がこれら)
※上記の国の大学全ての博士課程で給料がでるわけではないです、給料が出るポジションだけの大学もあれば、1ポジション給料あり、1ポジション授業料無料、とかいう場合もあります。
奨学金が貰えるので、結果的に授業料が無料か少額になる大学がある国:イギリス、フィンランド
※この場合だと、結局は生活費をどうにかせんといかんので、私はあまり意欲的に探しませんでした。
フィンランドは、給料出る大学と奨学金もらえる大学どっちも見つけたので、両方に名前があります。
たしか、博士1年目は国籍関わらずフィンランド国から奨学金が貰えるんだった気がする。
給料の出る博士課程の探し方
いくつかポータルサイトがあるのですが、全ての情報がここに集まるわけではないので個別に検索をかけることを強くおすすめします。
私が見ていたポータルサイト
ポータルサイトは便利な反面、結局ライバルもみんな見ているわけで、競争率は高まります。
しかもポータルサイトに載らない情報は自動的に逃すことになります。
この世の全ての情報にあたって全てのチャンスをものにするためには、かたっぱしからグーグル検索をかけて探すのみです。下記のように。
- 上記の給料が出る国で、かつ自分の専攻がある大学をすべてリスト化する
- リストを片手に、グーグルでかたっぱしから「[大学名] PhD vacancies」と検索。
たいてい大学のWebページ上でVacanciesのインフォメーションが出ているので、自分の専門分野と合致するものをしらみつぶしに探します。(力技)
自分の専門と異なっていても、現実的な関連性を見出せるようであれば応募するべきです。
可能性はひとつずつ、すべてつぶせ!
また「1週間前は情報がなかったのに急に情報がアップされた!」なんてこともありますので、毎週(もしくは2週間に1回ぐらい)どこかで時間をつくって、グーグル検索をルーティーンに組み込みましょう。
ノルウェーの場合のみ、JobbNorgeという職探しサイトに必ずPhDの空き情報がでますので、JobbNorgeに「PhD」と検索かけて、自分の専門を探します。JobbNorge
ノルウェー以外の9割は、各大学のWebページに情報が出ますので、グーグルで徹底的に探しましょう。
博士課程留学、応募の仕方
大学から指定されたWeb上に書類をアップロードする方式で応募します。
ポジションや大学によって要求される書類はまちまちですが、おおよそ共通して下記の用意が必要です。
- CV(履歴書のこと)
- カバーレター(モチベーションレター)
- Project Description(研究計画)
- 修士のディプロマ
- 修士のトランスクリプト
- 学士のディプロマ
- 学士のトランスクリプト
- アカデミックパブリケーション(あれば)
- 修士論文
- 学士論文(稀に)
- IELTSのスコア(私の経験を総合すると、修士論文を英語で書いたとしても学士までを日本で修了した人は大抵必要。)
募集要項を100回くらい読み込み、完全に見落としがないように準備しましょう。
1000words以内とか 20000characters以内みたいなやつ見逃さないように。
ちなみに応募は全てweb上で行います、まあ世界中から応募が来るので当たり前ですが。
アップロード方法も、ワードファイルを提出、PDFを提出、1つのファイルにまとめて提出、特別なカバーぺーパーをつけて提出…など各大学によって異なります。
募集要項どおりに応募書類が用意できなければ、書類選考時点で問答無用に落とされます。
結構みんな募集要項きちんと読んでないでバカスカ落とされているので書類不備みたいなアホミスで落とされないようにまじで隅々まで募集要項は読みましょう。(私は4年のプログラムって書いてあるのに勝手に3年だと思い込んで研究プラン3年で書いて応募したバカです)
1番大事なのはもちろんProject Descriptionです。
選考委員(コミッティー)のメンバーが公開されている場合は、その人の論文をざっと読んで、共通のキーワードを入れられそうであれば、プロジェクトディスクリプションに入れました、私は。
完全に小手先感満載ですが、まずは選考委員の目に留まって、書類通過する確率を上げる努力が必要です。
できることは全部やれ!
ちなみにProject descriptionの書き方についてはこちら。
海外博士課程選考のおおまかな流れ
全ての工程が終了するまでおおよそ3-5か月かかります。
- 書類応募
- 書類選考に通過したら面接
- 面接で良いとなったらリファレンスチェック(レフェリーに大学から連絡がいく「こいつうちに応募してきたけど大丈夫な人間だよね?」みたいな)
- 候補者の中でトップから順に合格が貰える
書類通過後の面接
書類通過して、ショートリストに選ばれたら面接に呼ばれます。
私が受けた面接はすべてZoomで行われました。
だいたい4-5人の面接官と30分~1時間程度面接をします。
面接前には、YouTubeでPhD Interviewと検索して出てきた動画を全て見てシュミレーションをします。(理系、文系関係なく全て見ました、みんなだいたい似たようなこと言っていますが、言いまわしが異なるので、すごく参考になりますよ)
また、私が知っているPhDインタビュー経験者にかたっぱしから連絡をとって、インタビューに関するアドバイスをもらいましょう。
これらのことを総合して、私は事前に下記を言えるように準備しました。
- Introduce yourself
- your personal strength and weakness
- why a phd
- future carrier (after phd)
- why this Univerisity, program, or project
- what makes you the right candidate
- summarise your project, master thesis, and bachelor thesis
- rationale of your proposed study
- impact of research project
- the challenges of your study (any expected difficulties)
- how do you think you need to move to the city where the university situated
- how to catch deadline
- how to cope with stress
- what can you contribute to university, faculty, and program
- prepare for the question of ‘do you have any question?’ in the end of the interview
面接後
何かしらの通知が来ます。(雑)
応募者全員の詳細な分析とランキングが送られてきた大学もあれば、ただEmailで通知だけ来る大学もありました。
私は1月から応募し始めて(実際にresearch proposalを書き始めたのは12月末)、5月に最終的に合格結果が出そろいました。
人文系博士課程の専攻で必要だと感じたこと
パブリケーションがあると選考に有利とはよく聞きますし、実際そうなのでしょう。(これは専攻関わらず)
私は実パブリケーションはゼロでしたが、翌年にパブリケーションが1つ決まっていたので、それがポテンシャルとしてかなり効きました。
その他私が感じた、選考で優位になっていたと感じた点は、修論で最高得点をとっていたのと(自慢)、アメリカでのアカデミックカンファレンスでのプレゼン経験がプラスポイントとなったと感じました。
が、もちろん1番重要視されるのはリサーチディスクリプション、次いで修士論文の出来です。(面接で一番尋ねられたのはリサーチディスクリプションについての質問だった)
リサーチディスクリプションは、土台(theoryとmethodology、日本語訳だと理論と方法論ですか?)がしっかりしていて、独自性があるものが望ましいっぽいです。
ただ、リサーチディスクリプションを完璧にするのは無理です、だってまだ受かってないんだもんね。
リサーチディスクリプションの穴を面接でつっこまれて、きちんと答えられれば良いのです。
もしこれを読んでいるあなたがいま修士なのであれば、少なくとも(国際)カンファレンスでの発表をおすすめします。
アカデミックの出版は時間がかかるので、修士が終わってから出版準備では博士応募に間に合わないからです。
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